「コリ」シリーズ:直接光と間接光の戯れ
「コリ」シリーズ:直接光と間接光の戯れ
TAFが生み出した新たな照明シリーズは、アアルト夫妻が大切にした空間における光の役割を再考する機会を与えてくれます。
アルテックの照明器具は、空間の雰囲気を作り出すという哲学に基づいてデザインされています。人工照明である直接光と間接光の相互作用により、自然光のような効果がもたらされることで、人の心と体は癒され、幸福感に満たされます。建築において光が果たす役割への意識は、1930 年代から 1950 年代にかけてアルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトよってデザインされたアルテックを象徴する数々の照明器具に反映されています。TAFスタジオが現代の暮らしのためにデザインした「コリ」シリーズも同じ哲学を受け継いでいます。
無駄な要素を削ぎ落したシンプルな美しさと効率的なモジュラーシステムで構成される「コリ」シリーズは、「形状と機能の融合」を目指したモダニズムの精神を現代に具現化した製品です。その論理的なデザインと光を生み出すのは籠形をした照明器具の中心部です。Koriは、フィンランド語で籠やバスケットを意味します。この独特の中心部こそ、「コリ」シリーズが実現する直接光と間接光の調和の鍵であり、木の枝から差し込む柔らかな木漏れ日を連想させる光を生み出します。
TAF のガブリエラ・レンカとマティアス・シュタルバウムは次のように述べています。
「けして眩しさがなく、空間の雰囲気自体を作り出すような光。『コリ』シリーズで挑んだのはまさのそのような光の実現でした。あらゆる空間やシーンに合わせされるように、さまざまなモデルを考案しました。電球を覆う籠のような中心部、シェード、リフレクター部品の試行錯誤を重ね、それぞれ個性豊かなバリエーションを揃えたシリーズが完成しました。色のインスピレーション源は卵でした。卵の殻の繊細な薄さ、そしてしっとりした白色。『コリ』シリーズはマットな質感のホワイトとまるで卵黄のようなオレンジの2色で展開することにしました。」
アルテックとTAFの協働により、多様な光を生み、空間のムードを多彩で豊かにしてくれるタイムレスな照明コレクションが生まれました。「コリ」シリーズのすべては、その誠実で真っ直ぐなフォルムに表現されています。「コリ」シリーズは、「日常をより良く、より美しく」というアアルト夫妻が大切にした想いを継ぎ、現代の暮らしにおいて再考する機会を与えてくれます。