自然ならではの素材感と温かみあるフィンランド産バーチ材を用いた、人の手によって作られた家具、柔らかな間接光をもたらすペンダントランプ。これらのアルテック製品は、世界中から集められたあらゆる時代の素材、テキスタイル、オブジェを自由にミックスしたインテリアを補完し、それらと組み合わせても馴染み、単体でも製品としての存在感をもって佇みます。
アアルトの名作デザインをモダンに再解釈
豊潤で多層的な空間をさらに惹きたてる名作の数々が新たな解釈を経て蘇ります。「アームチェア 45」 が復刻、アアルトテーブルの円形と長方形の特別仕様としてウォールナットカラー、「ペンダント A110 手榴弾」と「ペンダント A333 カブ」は、過去の記憶を現代へと繋ぐ、リネンとホワイトのデュオトーンで再解釈されます。「アームチェア 45」 は、ゆったりとした円形の「テーブル 91」または長方形の「テーブル 83」を組み合わせると、心地良くも優雅で豪華なダイニングセットになります。デュオトーンのペンダントランプは、絶妙なカラーコントラストと、柔らかな間接光で、インテリアをさらに豊かに味わい深く彩ってくれます。
他者と共有するためのこだわりの空間
本物の豊かさにあふれる空間には、その人が何を大切に考えるか、価値観や美学が詰め込まれにじみ出ています。穏やかな心地良さに満たされながらも、深い思惑や意図に基づいた空間です。自然素材を選び、クラフトマンシップには敬意をもって、不揃いさや不完全さを称賛する。それにより、統一されていなくても、あらゆる要素がひとつの価値観によって、見事に調和した空間が出来上がります。
アイノ・アアルトのインテリアに対する国際的なアプローチ
アイノ・アアルトはアルテックの創業者の一人であり、アルテックのクリエイティブな面を牽引した人物で、さらにあらゆるインテリアに対してテキスタイルと素材を選び取り入れました。彼女は 1930 年代から 1940 年代にかけて世界中を旅し、訪れたさまざまな場所から影響とインスピレーションを受けました。当時、彼女は、スケッチやメモが詰まった旅行日記をつけていました。
その日記は、日常に美しさをもたらすこと、いわば「美しき日常」に対する彼女の情熱が表されており、美の追求には何事をも厭わなかったことが分かります。北アフリカのラグに北欧の木製家具を置き、アジアの古い民芸品をあしらう、そんな国境を越えたインテリアのセンスをフィンランドに持ち込むきっかけをつくったのは、彼女の情熱であったともいえます。
アイノ・アアルトがインテリアを手掛けた建築には「マイレア邸」やヘルシンキの「サヴォイ レストラン」があり、どちらもモダニズム建築の傑作と称されています。実用性の追求と美的センスの追求、双方が同等に作用した場合にのみ成し遂げることができた技です。自然素材を用いて、人間らしい住まいや空間を作り出すというアイノ・アアルトの考えは、約 90 年前と同様に、現代でも通用するデザイン論です。